彼岸花の候

Cluster amaryllis

秋の彼岸に咲く「彼岸花」

 過酷な暑さもようやく落ち着き、風が吹くごとに秋の気配が深くなってきました。間も無く、秋のお彼岸の季節がはじまります。

 9月23日は二十四節気の「秋分」。昼夜の長さがほぼ同じになる日で、この日を境に日が短くなり、秋の夜長に向かいます。読書の秋や芸術の秋、音楽の秋など、趣味に没頭するのに良いシーズンです。また秋分の日は、雑節の「彼岸」の中日でもあり「祖先を敬い、亡くなった人をしのぶ日」として国民の祝日になっています。秋の彼岸は、春の彼岸に対して「後の彼岸」「秋彼岸」とも呼ばれます。

市道下塚田萩之嶺線 西寺境
赤と白のコントラストが見事です

 秋の彼岸の頃に咲く花といえば「彼岸花」。葉のない茎がすーっと伸びた先にまるで花火のような真っ赤な花が咲きます。別名は「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」で、サンスクリット語で「天界に咲く花」を意味します。おめでたい事が起こる兆しに赤い花が天から降ってくる、という仏教の経典からついた名前です。

 お彼岸は、先にこの世のいのちを終えていかれた大切な人のことを思う季節である。と、ともに、自分自身の限りあるいのちをどう生きていくのか、なにに出会っていくのか、なにに喜び、なにに悲しみ、そしてどこへ向かって生きていくのかを見つめるための期間でもあります。

 野に揺れる彼岸花を見かけたら、秋のはじまり。慌ただしい歩みを少し緩めて、いのちの気配に耳を澄ましてみるのもいいかもしれないですね。

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