マンデリンコーヒー

Mandelin coffee

1.マンデリンコーヒーについて

 マンデリンとは、インドネシアで栽培される希少なコーヒー豆のこと。深いコクのある上品な味わいで、高級銘柄として世界的に知られており、日本でも根強く人気です。

マンデリンコーヒーの産地

 マンデリンの産地は、インドネシアにあるスマトラ島。コーヒーの産地は大きく分けると、中南米、アジア、アフリカの3つに分類することができます。マンデリンは、この3つの分類の中ではアジアに属するコーヒーとなるのです。

 インドネシアではスマトラ島のマンデリン以外にもコーヒーが生産されています。ジャワ島で栽培されるジャワコーヒーや、スラウェシ島のトラジャコーヒーなどが世界的に有名と言えるでしょう。

 世界第4位を誇るコーヒー生産大国のインドネシアですが、その中でもマンデリンは全体の数%しか栽培されていない希少な品種に該当します。スマトラ島のマンデリン族によって栽培が始められたこのコーヒーは、現在でもスマトラ島の限られた地域でしか生産されていないのです。

マンデリンコーヒーの等級

コーヒー豆は、栽培される産地ごとに等級(グレード)分けがされていることをご存知でしょうか。評価方式は産地によって異なり、マンデリンが生産されるインドネシアでは欠点数が少ないほどグレードが高くなる方式を採用しています。

マンデリンのグレードは1~5の等級が付けられます。日本の自家焙煎店などで扱っているマンデリンは、その中でも最も品質の良いG1がほとんどです。

一般的にスーパーグレードと呼ばれているマンデリンコーヒーは、非常に細かい条件をクリアしたものとなります。産地と栽培されている標高の条件を満たすものだけがスーパーグレードとして認められるため、非常に希少性が高くなるのです。スーパーグレードのマンデリンは、現在もコーヒー愛好家から高い評価を受けています。

2.マンデリンコーヒーの魅力

ストレートコーヒーにはそれぞれ異なる個性や魅力があります。それでは、マンデリンコーヒーの魅力とはどのようなものなのでしょうか。味わいや希少性、製法について紹介します。

マンデリンコーヒーの味と香り

マンデリンの味の大きな特長は、ほろ苦さと酸味の少なさと言えます。重厚さのあるコクとやや強めの苦味がありますが、風味はハーブやシナモンのように感じられるでしょう。コーヒー豆は一般的に、深煎りでない方が個性が出やすいといわれています。しかし、マンデリンは深煎りをしてもその独特な味わいや香りといった個性を、しっかりとキープできるのです。

日本人は深煎りのコーヒーを好む傾向にあります。マンデリンが日本人に好まれるのは、深煎りに適していることが理由なのかもしれません。

マンデリンコーヒーの希少性

続いては、マンデリンコーヒーの希少性の高さをさらに詳しく見ていきましょう。

コーヒー豆は大きく分けると、アラビカ種、カネフォラ種(ロブスタ)、リベリカ種の3つに分類することができます。マンデリンは、アラビカ種に該当するコーヒー豆です。アラビカ種は、風味と味わいが良いのですが栽培するのに非常に手間がかかります。病気や虫、乾燥などに弱いだけではなく、収穫量も少ないのです。

アジアのコーヒー生産大国であるインドネシアは、栽培されているコーヒー豆の約90%がカネフォラ種に当たります。アラビカ種は残りの約10%となりますが、そのすべてがマンデリンというわけではありません。ただでさえ少ないアラビカ種の中でも、マンデリンは全体のたった数%ほどしか栽培されていないのです。この背景が、マンデリンの希少価値を高くしていると言っても過言ではありません。

マンデリンコーヒーの精選

私たちが普段飲んでいるコーヒーは、コーヒーノキから収穫されたものです。コーヒーノキの実であるコーヒーチェリーの中には種子が入っており、これがコーヒー豆と呼ばれています。コーヒーの世界では種子を取り出し生豆にすることを精選と言いますが、この精選方法には複数の種類が存在するのです。

インドネシアのスマトラ島では、種子の部分の実と皮を取り除いてから乾燥させる生豆の精選方法を採用しています。この特殊な精選方法はスマトラ式と呼ばれており、マンデリンも主にこの方法で精選されているのです。

スマトラ式以外にも、パルプドナチュラルやウォッシュドといった精選方法で作られているマンデリンも少数ですが存在します。