しって米(後穂米)

Shitte kome

しって米(後穂米):地域資源活用による収穫実証実験

 農林水産省の発表資料 によると2024年産の10月のコメの「相対取引価格」は、全銘柄平均で2万3820円/玄米60kgでした。9月の2万2,700円をさらに上回り、いまの調査を開始した2006年産以降、過去最高となりました。記録的な冷夏で「平成の米騒動」と呼ばれた1993(平成5)年以来、31年ぶりの高水準という事です。

 超早場米の収穫(7月頃)が終わった後、切り株から勝手に稲が生えてきた二番米のことを当地では、「しって米(後穂米:全国共通の言葉ではないようです)」と呼んでいます。雑草も生え放題で、背丈は通常の稲よりも低く、40〜50センチぐらいでしょうか?

 米の質がいいからと、すし屋さんが買いに来るという「しって米(後穂米)」ですが、当地区では、二期作で耕作していた頃と違って、早期水筒の収穫が終わる7月下旬から翌年の2月頃までの半年間、休耕状態にあります。

 米の取引価格が高騰してきた事を受け、「しって米(後穂米)」が地域資源として有効活用できないかとの提案に基づき、実証試験として収穫を行なってみる事となりました。

 「しって米(後穂米)」の収穫量は、地区の古老に聴いたところ、通常の水稲の20〜30%位だという事です。本(2024)年刈り取りを予定していた圃場は、10月21日からの大雨(100mm/hの豪雨)による冠水被害があり、収量の低下が心配されたが、籾の状態で8俵弱という結果でした。

 今回収穫された「しって米(後穂米)」は、乾燥、選別、精米、再選別されます。食味等を吟味するために、組織構成員や地区の住民に配布し味わってもらう事になります。

 当地では、稲や麦の収穫に 使われる「自脱型コンバイン」しか無く、「しって米(後穂米)」のように背丈の低い収穫には不向きです。今回の実証試験においては、三股町の農家さんの応援(委託)により、稲・麦・大豆、そば、小豆、菜種や雑穀など幅広い作物に対応する「普通型(汎用)コンバイン」で収穫作業を行なった。